任意整理は生活保護受給者でも手続きできる?受給停止のリスクは?

結論を先に言うと、生活保護受給中の人が任意整理をすることは不可能でないですが、かなり難しいです。

 

その理由を以下で解説します。

 

任意整理するには安定収入が必要!

【任意整理】
債権者(金融機関など)と交渉をして利息を減額したり、返済期間を延ばして返済の負担を減らす手続き。

利息や遅延損害金などは減額もしくは免除することができますが、元本については一切減額できないので、残った借金は計画的に返済していくことになります。

 

利息は高い確率でゼロにできますが、残った元本については原則として約3年かけて返済することになるので、返済し続けるだけの安定収入がなければ、そもそも交渉ができません。
そのため、残った元本を返済していける収入があることは絶対条件となります。

 

生活保護費は収入に含まれない

生活保護受給者には「①全く収入が無い無職の方」と、「②収入はあるけど不足分を保護費でまかなっている方」がいると思います。

 

まず、保護費は収入のうちに入りませんので、無職の人では任意整理はできません。

 

そして、一定の収入がある場合でも、「自律して生活できないレベルの収入しかない」と判断されてしまい、交渉相手に「こんな収入でどうやって生活しているの?」と疑問を持たれてしまう可能性が高いため、やはり交渉が難しくなります。

 

生活保護費を返済にあてるのはNG?

また、生活保護というのは「健康で文化的な最低限度の生活」を営むために国民が納めた税金から支給されているお金になります。

 

そのため保護費を借金返済にあてるというのは、受給目的から逸れることになります。

 

さらに、ケースワーカーも借金がある場合には自己破産をするように指導するのが通常です。
仮に任意整理に成功しても、ケースワーカーから自己破産をするように指導されればそうするしかなくなり、任意整理をしたことが無意味になってしまう可能性もあります。
ケースワーカーの指導に従わないと保護を打ち切られる可能性もあるからです。

 

【まとめ】任意整理は生活保護受給者でも手続きできる?

これらの理由から、弁護士に相談をしても、高い確率で断られて自己破産を勧められることになると思います。

 

それでも、物事には例外がありますので、絶対にできないというわけでもありません。

 

前回自己破産をしてから7年が経過していない人や、ギャンブルや浪費などで大きな借金を作ってしまった人など、免責不許可事由にあたるために自己破産ができない場合には、他の債務整理の方法をとるしかないでしょうから、弁護士も相談にのってくれるはずです。


このページの先頭へ戻る